自己紹介
2024 年春にモノグサで SWE としてインターンに参加しました、宮崎と申します。2024 年 3 月現在、慶應義塾大学理工学部の 1 年生です。
参加を決めた理由
もともと春休みに大きな予定がなく、何かしらの春季インターンに参加することは考えていました。そんなとき、AtCoderJobs でモノグサの募集を見て、実際のサービスの開発に携われることに魅力を感じたこと、また AtCoder Beginner Contest や ICPC のスポンサーなどを通して会社について認知していたことから、応募を決めました。
取り組んだこと
主に管理者用 Web クライアントでの Book 編集機能に関するタスクを担当しました。その中でもメインタスクとして、数式の入力手段の拡充に取り組みました。
メインタスクについて
Monoxer では数学の問題を出題することができますが、そのためには自ずと数式を入力する機能が必要になります。Monoxer では MathML と簡易数式という 2 種類の数式入力手段をサポートしており、前者はマークアップ言語であり、後者は AsciiMath をベースとした記法となっています。
図 1 からわかるように、MathML は文法が明確に定まっておりプログラム上では扱いやすい一方、タイプ量が多いことや人にとって読みづらいことからユーザにとって負担が大きいです。それに対して、簡易数式は直感的な記述ができるため、簡易数式を使える場面を増やすことが目標となっています。
現状の Web クライアントにはとある問題があり、それは図 2 のように簡易数式で入力しても、一度保存して再度編集しようとすると MathML に変換されてしまうことです。
これは仕様であり、入力された数式のデータはすべて MathML に変換された上でデータベースに保存されていることに起因します。
この問題を解消すべく、私は解答の入力欄に MathML と簡易数式を相互に変換するボタンを配置し、ユーザの操作により切り替えられるようにしました。
実装について
ここで、簡易数式 → MathML の変換は既にあるものを流用することができましたが、その逆である MathML → 簡易数式の変換は新たに実装する必要がありました。
MathML はマークアップ言語のため木構造が成り立っており、深さ優先探索 (DFS) により容易に探索することができます。そこで私は「自らを根とする部分木に対する変換結果」を返す関数をつくり、再帰的に変換する実装としました。
また、React を用いた UI の実装も担当しました。
インターンの感想
今回参加したインターンシップではとても多くのことを学びました。その中でもいちばん大きなものが、チーム開発の流れです。たとえば製品に 1 つの変更を加えるだけでも、最初の要件定義や実装後のコードレビューなど、多くの段階を踏む必要があることを実感しました。さらに保守性を高めるため、読みやすいコードを書くことやテストを作成することなども初めての経験であり、重要な学びとなりました。
コーディングの面では、TypeScript や React が完全に未経験の状態だったため、一から調べながら実装していましたが、そのような状態からこのような成果を出せたのは大きな成長であったと感じます。
そして、働く環境はとても良かったです。ボードゲームの文化が端的な例ですが、それ以外にもあらゆる場面で伸び伸びと働ける雰囲気がありました。また、我々インターン生の考えも社内で真剣に扱ってもらえたことが嬉しく、印象に残っています。
その反面大変だったこととしては、必要な知識を自分で手にいれる必要があったことが挙げられます。たとえば React は、公式のチュートリアルなども活用して習得していきました。もっとも、そのおかげでスキルをよりしっかりと身につけられたとも考えています。
最後のまとめとなりますが、初めてのインターンであり製品の開発経験もなかった私がこのような成果を出せたことはとても貴重な経験であり、参加して良かったと感じています。私を支えてくださった社員の方々に深く感謝します。