こんにちは!やまもと@テスト番長です。2022年の7月からモノグサでQAマネージャーをしています。
僕はこれまで20年弱くらいWeb系の会社でQAのお仕事をしてきているのですが、Edtechと呼ばれる教育系のジャンルはモノグサが初めてです。普通のスマートフォンアプリと結構違うところがあって、毎日面白いなと関心しながら仕事をしています。
折角ですので今回はEdtechならではのQA事情をご紹介してみたいと思います。
モノグサとは?Edtechとは?
モノグサは「記憶を日常に。」をミッションとして掲げ、AI学習アプリのMonoxerを提供している会社です。iOSとAndroidでサービスを提供しています。
学習アプリは、令和元年から始まったGIGAスクール構想とコロナ禍の追い風を受けながら市場が急速に成長している業界で、市場規模3,000億円とも言われています。 教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせて俗に「Edtech」と呼ばれるジャンルのサービスになります。
Edtechのアプリ開発事情
学習を扱うといっても一般のアプリと変わらないかと思いきや、結構違うところがあって興味深いです。Edtechアプリならではの特徴的なところを挙げてみたいと思います。
- 端末シェアはタブレットが上位
多くの一般的なアプリはiPhoneがアクセスランキングの上位に来ますが、学習の現場ではタブレットが多く導入されているようです。現在はGIGAスクールに合わせて導入されたと思しきバージョンのiPadから良くアクセスをいただきます。 個人的には数年後の端末買い替えがどうシェアに影響するか注目しているところです。
- 朝8時のビッグウェーブ
学習アプリにおいてアクセスが集中するのは夜ではありません。朝の登校後に授業が始まるまで自習に利用されるパターンが多いようで、朝8時過ぎ頃に一番アクセスが集中します。かなり集中してスパイクするのでインフラの負荷が大変です。
- SMS認証は使えない
学校で貸与されたタブレット等で学習する場合、SIMなしWi-Fi運用になっていて電話番号がないことは珍しくありません。SMS認証は当てに出来ませんので、他の認証方法を用意する必要があります。
- 端末を使い回ししているケースがある
端末が全員に行き渡らずクラスごとに交代で使っている場合などは頻繁にログイン/ログアウトされます。その前提で使いやすさの考慮が必要です。
- アプリ配布は管理者が行う
教育用の端末は目的外の利用が出来ないように何らかの管理ソフトウェアが入っており、アプリを自由にインストールしたりアップデートしたり出来ません。 それは致し方ないところですが、管理者の方も日々の学校運営でお忙しいため、バグを直してもすぐ最新版にしてもらえなかったり、かなり古いバージョンのまま使用されていたり、、という切ないシチュエーションに時々なります。
QA的に大変なところ
大変QA泣かせな特徴も幾つかあります。
- お店で売ってない端末かも?
学校組織では端末を大量に導入するため、市販モデルではなくビジネス向けのカスタマイズされたモデルが配備されていることがあります。その場合実機が小売りされていませんので入手が難しく、機種依存の調査はとても困難になります。 加えてビジネス向けカスタムモデルはOSアップデートがあまり提供されない傾向があって、歯がゆい思いをすることがあります。
- 学校のWi-Fi回線が弱い?
不具合報告を調査していると、どうも回線が細かったり接続が怪しいと思われるケースがちょいちょいあります。人数が多く密集しているでしょうから仕方ないことではありますが。 回線が細くても動作するようにネットワーク制限下で検証しておくべきでしょう。
- 気軽に設定変更される?
デジタルネイティブ世代は端末の操作にかなり詳しいですね。端末の日時を変えて誤動作させるくらいは当然のように行われると思っていた方が良いです。 サスペンドやリセマラ的な操作も気軽にされているように感じます。複数台同時ログインして効率よく学習しようとしていただいたりもします。やりすぎると壊れるってば。
QAE募集中です
Edtechアプリの開発事情はいかがでしたでしょうか? そんなこんなでモノグサに入社して以来、忙しくも楽しすぎる日々を過ごしております。
モノグサにおけるQAチームの取り組みはまだ始まったばかりですが、今後は更に体制を強化して事業に貢献できるチームになっていきたいと思っています。 QAE絶賛募集中ですので、ご興味のある方はぜひご応募ください!
このブログ記事が何かのご参考になりましたら幸いです。 次回はQAチーム立ち上げの裏話を書いてみたいと思います。